ホッテントリはなぜ実際より二極化して見えるのか

187コメントとスターから読む「読み方」の拡散

対象にしたのは、この記事のはてなブックマーク。

このエントリは、見た目だけならかなり分かりやすい政治論争に見える。

一方では、

左派・反戦運動にも陰謀論的な言説が広がっている

という記事の問題提起を支持するコメント。

反対側では、

少数の事例を「左派周辺」に拡張するチェリーピッキングではないか

という批判。

人気コメントだけ眺めると、この二つの陣営が激しくぶつかっているように見える。

ところが、187件のコメントを全部分類し、さらにスター、ブックマーカー図鑑の analyzed、既存コミュニティを重ねてみると、少し違う姿が見えてきた。

結論から先に書く。

このブックマークページは、参加者そのものが極端に二分されていたというより、スターが対立軸の明確なコメントを選択的に増幅した結果、実態以上に二極化して見えていた。

そしてもう一つ。

はてなブックマークで拡散されていたのは記事のURLだけではない。「この記事をどう読むべきか」という読み方そのものが、既存コミュニティとスターを通じて拡散されていた。

今回はその過程を見てみたい。


分析対象

今回取得したデータには、動的描画されるブックマークも含まれている。

重複表示を除くと、

  • ユニークブックマーカー:195人
  • コメントあり:187人
  • 無言ブックマーク:8人

このうちコメントした187人を中心に分析した。

ブックマーカー図鑑の最新 analyzed と照合すると、187人中175人、**93.6%**が解析済みだった。

またスターについては、一人が同じコメントへ複数スターを付けているケースがあるため、今回は原則として、

「スターの個数」ではなく「スターを付けたユニークユーザー数」

として扱った。

コメントは内容に応じて、次の5種類に分類している。

分類 内容
A 記事肯定・左派周辺の陰謀論という問題提起を強く拾う
B 記事批判・左派への一般化や論証を問題視
C 左右横断・陰謀論そのものの構造を論じる
D 著者・ブコメ欄・読者・記事の需要などを論じるメタ反応
E 補足・保留・その他

もちろん、一つのコメントに複数の要素が入っていることはある。

今回は「そのコメントがこのページで主に何をしているか」で一つに割り当てた。


結論:実際には二極化していない

まず187コメント全部を分類するとこうなった。

分類 人数 割合
A 記事肯定 57 30.5%
B 記事批判 29 15.5%
C 左右横断・構造論 47 25.1%
D メタ論 40 21.4%
E その他 14 7.5%

面白いのはここだ。

記事肯定Aと記事批判Bを合わせても、

86人、46.0%

しかいない。

逆に、

  • 左右の問題ではないと見る
  • 陰謀論の認知構造を考える
  • 著者やブコメの反応そのものを見る
  • 判断を保留する

といったA/B以外のコメントが、

101人、54.0%

存在する。

つまり、コメントを書いた人々の過半数は、実は単純な

「記事に賛成」vs「記事に反対」

には収まっていない。

それなのに、ブックマークページを見るとかなり激しい左右対立に見える。

なぜか。

スターを入れると分かる。


スターを入れると、景色が突然変わる

187コメントについたスターを、同一人物の連打を1票に縮約すると、ユニークな支持関係は1,348件あった。

分類ごとに集計するとこうなる。

分類 コメント比率 スター支持数 スター比率 1コメント平均
A 記事肯定 30.5% 648 48.1% 11.37
B 記事批判 15.5% 275 20.4% 9.48
C 左右横断 25.1% 187 13.9% 3.98
D メタ論 21.4% 212 15.7% 5.30
E その他 7.5% 26 1.9% 1.86

AとB、つまり明確な対立軸に乗るコメントは、全コメントの46.0%。

ところがスターでは、

68.5%

を占める。

一方で「左右より陰謀論への親和性の問題では」といったCは、コメントでは25.1%いるのに、スターでは13.9%まで縮む。

要するに、

人間の意見分布より、スターで作られる人気コメント欄の方がずっと二極化している。


人気コメントだけを見ると別のページになる

スターを付けたユニークユーザー数で上位を見る。

  1. id:Shiori115 — A — 107人
  2. id:err931 — B — 94人
  3. id:tikuwa_ore — A — 89人
  4. id:tonocchokun — A — 74人
  5. id:snare_micchan — A — 63人
  6. id:afrkn — B — 48人
  7. id:poko_pen — A — 47人
  8. id:ffggmm — A — 41人
  9. id:toria_ezu1 — A — 39人
  10. id:mahal — C — 21人

驚くほどきれいだ。

トップ9までAかBしかない。

左右横断的に読んだ id:mahal がようやく10位に現れる。

したがって、人気コメントだけを読んだ人には、

「左派にも陰謀論が広がっている」

vs

「これは右派による左派叩きだ」

という記事に見える。

ところが187コメント全部を読むと、その二択以外の人の方が多い。

同じブックマークページなのに、スター順に見るか全件を見るかで、見えている「世論」が違う。


時系列:最初に作られた「読み方」

次に、ブックマーク日時を見る。

注意点として、今回のデータで bookmarkedAt が残っているのは187コメント中40件だけなので、完全な時系列ではない。

あくまで観測できた初期サンプルだ。

JSTに直して主なものを並べる。

時刻 ユーザー 分類 最終的なスター支持者
06:42 id:Shiori115 A 107
06:57 id:ffggmm A 41
07:31 id:tikuwa_ore A 89
07:34 id:poko_pen A 47
07:51 id:afrkn B 48
07:52 id:tonocchokun A 74
07:58 id:snare_micchan A 63
08:04 id:toria_ezu1 A 39
08:07 id:lcwin C 8
08:41 id:err931 B 94

少なくとも観測可能な範囲では、かなり早い段階でA側の強いコメントが並んでいる。

id:Shiori115 は、自称「反戦」がロシア支持へ接近する矛盾を指摘。

id:tikuwa_ore は、日本の反戦運動の矛先がロシアや中国ではなく日本へ向いているという読み方をする。

id:poko_pen は、反差別や平和を掲げる人物の言動上の矛盾へ話を広げる。

ここで、

「この記事は、左派・反戦派周辺の認知的矛盾についての記事だ」

という初期フレームが形成される。


7時51分、ブコメそのものが観察対象になる

そこへ id:afrkn が入ってくる。

要旨は、

一水会に協賛する保守を拾って「左派に広がる陰謀論」にし、それを読んだブコメもまた「やはり左派は」と属性をつないでいる

というもの。

ここで視点が一段変わる。

それまで、

記事 → 記事への感想

だったものが、

記事 → 先行ブコメ → その先行ブコメへの評価

になる。

このコメントには48人からスターが付き、批判側の最初の大きなアンカーになった。

そして08:41には id:err931 が登場し、著者の過去や「ウヨちゃんが釣れている」という方向から記事を批判する。

こちらには94人。

これで人気コメント欄に、

記事肯定側の巨大アンカー

と、

記事批判側の巨大アンカー

の両方が成立する。

以後、後から入ってきたユーザーは、記事本文だけではなく、すでに形成されたこの二つの読み方も同時に目にすることになる。


「記事を読む」のではなく「すでに読まれた記事を読む」

ここがはてなブックマークの面白いところだと思う。

新聞記事を一人で読む場合、基本的に目に入るのは記事だけだ。

しかし、はてなブックマークでは違う。

ホッテントリに来た時点で、

  • 記事タイトル
  • 人気コメント
  • スター数
  • よく見るユーザー名

がセットで提示される。

つまり後から来た人は、

裸の記事を読んでいるわけではない。

すでに誰かに解釈され、評価され、スターで順位付けされた記事を読んでいる。

今回なら、

左派周辺にも陰謀論がある

という読み方と、

また左派叩きのチェリーピッキングだ

という読み方が、記事本文の横に巨大な看板として立っている。


スターは誰が押していたのか

さらに面白いのは、スターがランダムに付いているわけではないことだ。

たとえば id:Hige2323 は、今回46コメントにスターを付けている。

内訳は、

  • A:29
  • C:7
  • D:4
  • E:6
  • B:0

id:colonoe は19件中、

Aが16件。

id:arvante は17件中、

Aが15件。

反対側では、id:err931 が30件にスターしており、

  • B:11
  • D:17
  • A:1

id:m-kawato は、

  • B:11
  • D:8

id:bad-movie-guy は、

  • D:18
  • B:6

だった。

つまり、

面白いコメントだから自然にスターが集まった

だけでは説明できない。

それぞれの読み方を継続的に押し上げるユーザー群がいる。


記事肯定派と記事批判派は、実はほとんどスターを交換していない

187人のコメント者同士だけに限定すると、スター関係は310本あった。

そのうち、

同じ分類へのスターが180本、58.1%。

異なる分類へのスターは130本。

分類をノード属性として計算した assortativity は約0.43。

完全に閉じたエコーチェンバーではないが、同じ読み方同士で結び付く傾向はかなりある。

そして特に強烈なのが、

AとBの直接スター
  • A → B:1本
  • B → A:1本

だけ。

310本中、わずか2本。

同じページで激しく言い争っているように見える二群だが、スターという「同意・評価」のネットワークではほぼ接続されていない。

言ってみれば、

同じリングで戦っている

というより、

別々の観客席から、それぞれ自分側の選手へ拍手している

状態に近い。


では誰が二つの世界をつないでいるのか

AとBの間を直接つなぐスターはほぼない。

その代わり、橋渡しになっているのがCとDだ。

Cは、

陰謀論への親和性は左右とは別軸ではないか

という構造論。

Dは、

この記事はどういう需要で書かれているのか
著者は何者なのか
ブコメ欄はどう反応しているのか

というメタ論だ。

たとえば id:cider_kondo は、タイトルより記事末尾の

「陰謀論への親和性」が党派とは別の軸で働く

という部分を拾っている。

id:lcwin も、各陣営の事情に一定の理解を示しつつ、「真実」に飛びつかないことへ重点を置く。

こうしたユーザーは、AかBのどちらかを全否定するより、一段引いた位置から構造を読む。

ネットワーク上でも、この層がAとBの間に入りやすい。


スターだけでコミュニティを作ってみる

今回のスター関係だけからコミュニティ検出をすると、modularityは約0.54。

かなり明瞭に群れが分かれた。

最大クラスターの一つは、

  • B 記事批判:20
  • D メタ論:20
  • C:6
  • A:1

という構成。

id:err931
id:afrkn
id:beejaga
id:nanamino
id:white_rose

などが入る。

対して別の大きなクラスターは、

  • A:24
  • C:11
  • E:3
  • D:1

で、

id:Shiori115
id:poko_pen
id:tikuwa_ore
id:toria_ezu1
id:snare_micchan

などがいる。

さらに、

id:colonoe
id:T-anal
id:mutinomuti
id:Capricornus
id:yujimi-daifuku-2222

などが中心になる、さらにA純度の高い小クラスターも存在する。

コメント内容を読まず、誰が誰へスターしたかだけでも、おおよその「読み方」が分離する。

これはなかなか面白い。


ブックマーカー図鑑の既存コミュニティとも重なる

さらに重要なのは、この集団が今回だけ突然できたわけではないことだ。

ブックマーカー図鑑で事前に作っていたコミュニティを見ると、

id:poko_pen
id:toria_ezu1
id:T-anal
id:mutinomuti
id:Gka

などは、政治・ネット・外交を中心とした既存コミュニティで近い位置にいる。

今回も、そのコミュニティではA側の読み方が多い。

また、

id:Shiori115
id:poko_pen
id:augsUK
id:yujimi-daifuku-2222
id:saihateaxis
id:n_vermillion
id:red_kawa5373

などが含まれる別の政治・治安・外交系コミュニティでも、今回の参加者はほぼAだった。

反対側では、

id:tikani_nemuru_M
id:haha64
id:white_rose
id:nanamino

など、普段から人権・社会問題系の記事で近い動きをするユーザーは、今回は全員Bだった。

ここから言えるのは、

コミュニティが政治的結論を機械的に決める

ということではない。

むしろ、

同じ記事を読んだとき、「何を最初に重要だと感じるか」が既存コミュニティと対応している

と考える方が自然だ。


analyzedを重ねると、このページに誰が集まったかが分かる

187コメント者のうち、解析済み175人について主要テーマを見る。

主要テーマ 人数 175人中
ネット/SNS 169 96.6%
メディア/報道 169 96.6%
政治/政党 113 64.6%
外交/安全保障 52 29.7%
生活/社会 52 29.7%
文化/表現/オタク 49 28.0%

圧倒的なのが「ネット/SNS」と「メディア/報道」。

ほぼ全員だ。

図鑑全体と比較しても、「政治/政党」「外交/安全保障」が主要テーマに入っている割合は非常に高い。

つまりこのページに集まったのは、単に政治思想の強い人ではない。

普段からネット上の言説、ニュース、他人の発言、メディアの語り方そのものを観察する人々が非常に多い。

だから記事本文だけで終わらない。

すぐに、

この記事を書いた人は何者なのか

他のブックマーカーはどう反応しているのか

このコメントにスターを付けているのは誰なのか

へ視線が移っていく。


「荒れやすい人」が両側から集まっている

ブックマーカー図鑑には、継続的に罵倒・嘲笑・名指し・陣営攻撃などが観測された場合に attack パネルを掲載している。

これは人物の善悪を判定するものではなく、あくまで過去のコメント行動上の特徴だ。

今回、解析済み175人中、

104人、59.4%

にattackパネルがあった。

かなり高い。

分類別に見ると、

分類 attack掲載率
A 記事肯定 67.9%
B 記事批判 78.6%
C 左右横断 51.2%
D メタ論 54.1%
E その他 23.1%

ここも興味深い。

記事肯定側だけが荒いわけではない。

むしろ今回のサンプルでは記事批判側の方が高い。

つまり、このページが荒れた理由を、

右側の攻撃的な人が集まった

あるいは、

左側の人が過剰反応した

のどちらかだけで説明するのは難しい。

よりデータに近いのは、

普段から政治・ネット論争への参加率が高いユーザーが、両方の方向から大量に集まった

という説明だ。

言ってみれば、平時から殴り合いに参加する選手が両チームから召集された試合だった。


同じ記事を読んでも、見ている場所が違う

個々のブックマーカーを見ると、それがよく分かる。

id:Shiori115 や id:poko_pen は、普段から政治記事そのものだけでなく、はてな内部の特定の論争・陣営の反応を強く観測するタイプだ。

今回も記事を、

「はてな左派・反戦界隈にも見られる矛盾」

へ接続して読む。

一方で id:nanamino は、普段からジェンダーや差別、一般化の非対称性を問題にすることが多い。

今回も、

「右側が以前自分たちに向けられた批判を左側へ返している」

という方向を拾う。

id:cider_kondo は、記事の党派性よりも論理構造や前提を拾うタイプなので、タイトルより末尾の「陰謀論の雑食性」に反応する。

id:lcwin も、誰が正しいかより、排除や物語化がどのように生じるかを見る。

重要なのは、

誰の解釈が正しいか

という話だけではない。

同じ文章を与えても、ブックマーカーごとに最初に拾う箇所がかなり違う。

そしてその差は、過去数千件のブックマークから作った図鑑プロフィールともよく対応する。


はてブで拡散されるのは記事だけではない

今回のケースで一番面白いのはここだと思う。

SNSでURLが拡散される、と聞くと、

AさんがURLを見る
↓
BさんにもURLが届く

というモデルを想像する。

しかし、はてなブックマークでは、

URL
↓
最初のブックマーカーが解釈
↓
スターが特定の解釈を上位表示
↓
後から来た人は記事+その解釈を読む
↓
既存コミュニティに合った別の解釈を加える
↓
またスターが付く

という循環がある。

つまり、拡散しているのはURLだけではない。

「この記事は何についての記事なのか」というフレームも一緒に拡散している。

今回なら、

元記事には、

  • 左派周辺にも陰謀論的言説が存在する
  • 親露・反ワク・DS論などが奇妙に混在する
  • 陰謀論への親和性は党派とは別軸である

など複数の論点がある。

しかし人気コメント空間では、それがまず、

「左派にも陰謀論」

と、

「右派による左派叩き」

という二つの強い物語に圧縮された。


「はてブ世論」は参加者の平均ではない

ここから、少し一般化できる。

私たちは人気コメントを見て、

「はてブではこの意見が多い」

と言ってしまいがちだ。

しかし今回、

A+Bはコメント人口の46.0%しかいない。

それなのにスターの68.5%を取った。

これは、

人気コメント欄は参加者全体の平均ではない

ことをよく示している。

人気コメント欄とは、

スターを積極的に付けるユーザーの選好

と、

既存のスター・コミュニティ

によって圧縮されたビューだ。

したがって、

「はてなではこういう意見が主流だった」

と言うときには、

コメント数の分布

と、

スターによって可視化された分布

を分けた方がいい。

今回、その二つはかなり違った。


まとめ

このブックマークページを187コメント全部から見ると、単純な左右対決ではなかった。

実際には、

  • 記事肯定:30.5%
  • 記事批判:15.5%
  • 左右横断・構造論:25.1%
  • メタ論:21.4%
  • その他:7.5%

と、読み方はかなり多様だった。

ところがスターを入れると、

記事肯定+記事批判の二極が68.5%を占める。

人気コメント上位9件もすべてその二極だった。

さらにスターグラフを見ると、記事肯定と記事批判の間で直接スターを交換するケースは310本中わずか2本。

一方、それぞれの側には明確なスター増幅者が存在し、そのまとまりはブックマーカー図鑑で事前に観測されていたコミュニティともかなり対応していた。

したがって今回起きていたことを一言でまとめるなら、

参加者が二極化していたというより、スターが二極化を可視化していた。

そして、その結果として後続のブックマーカーには、

すでに二つの読み方へ加工された記事

が提示された。

はてなブックマークで広がるのは、記事だけではない。

その記事をどう読むかという「読み方」もまた、スターとコミュニティを通して拡散する。

今回のエントリは、その過程がかなりきれいに観察できるケースだった。

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コメント一覧

  • ブコメをブクマすると何が起きるのか

    「2階」で始まる、読み方への読み方

    前回は、こちらのブックマークページを分析した。

    • 元記事:「反戦」「反差別」を掲げる左派周辺に広がる陰謀論
    • 1階:その記事についた、はてなブックマーク

    187件のコメントを全部見ると、実際の参加者はそれほど単純に二極化していなかった。

    ところがスターによって、

    「左派にも陰謀論がある」

    という読み方と、

    「これは右派による左派叩きだ」

    という読み方が選択的に増幅され、人気コメント欄ではかなり激しい二極対立に見えていた。

    では、そのブックマークページ自体がさらにブックマークされるとどうなるのか。

    今回は、いわゆる「2階」を見る。

    対象はこちら。

    • 1階:
      https://b.hatena.ne.jp/entry/s/note.com/seanky/n/n599fd58fa2c1

    • 2階:
      https://b.hatena.ne.jp/entry/s/b.hatena.ne.jp/entry/s/note.com/seanky/n/n599fd58fa2c1

    結論から先に書く。

    2階では、元記事についての議論がほぼ終わり、「他のブックマーカーが記事をどう読んだか」が新しいコンテンツになっていた。

    さらにブックマーカー図鑑の analyzed を重ねると、2階に集まったのは単なる政治好きではなかった。

    普段からネット上の言説、メディア、他人の発言、はてな内部の論争そのものを観測しているユーザーが、1階よりさらに濃縮されていた。

    1階が「記事を読む場所」だとするなら、2階は、

    「記事を読んだ人間を読む場所」

    になっている。


    まず、2階とは何か

    はてなブックマークでは、普通の記事だけでなく、はてなブックマークのエントリページ自体もブックマークできる。

    つまり、

    記事
    ↓
    記事のブックマークページ
    ↓
    そのブックマークページのブックマークページ

    という階層が作れる。

    俗にいう「2階建て」だ。

    今回の場合、

    1階では元記事について187人がコメントしていた。

    その1階をさらにブックマークした2階では、観測時点で、

    • 33 users
    • 21コメント

    となっていた。

    規模だけなら1階よりずっと小さい。

    しかしコメント率で見ると違う。

    1階は、

    187コメント / 418 users ≒ 44.7%

    2階は、

    21コメント / 33 users ≒ 63.6%

    だった。

    2階へ来た人は、ただ保存するだけでなく、何か言いたくて来ている割合が高い。

    コメント参加率は1階の約1.4倍。

    人数は減るが、議論への関与度は上がる。


    結論:2階では議題そのものが変わる

    1階で争われていたのは、おおむね、

    左派周辺にも陰謀論が広がっているのか

    あるいは、

    この記事自体が左派を狙った雑な一般化ではないか

    という問題だった。

    しかし2階を見ると、話題はかなり変わっている。

    たとえば id:T-anal は、

    記事の中身に反論しないで、寄稿者ガーウヨガーと罵詈雑言で返す

    という趣旨のコメントをしている。

    これはもう、元記事の陰謀論について論じているのではない。

    1階で記事を批判したブックマーカーの「反論の仕方」を論じている。

    id:poko_pen も、

    図星で反論出来ないと著者叩きになっちゃう

    と反応する。

    ここでも観察対象は、

    元記事

    から、

    元記事への反応

    へ移っている。


    すると今度は「2階に集まった人たち」が観察される

    ところが、話はそこで終わらない。

    1階で、

    属性を雑につないで都合のいい物語を作るところまで再現している

    とコメントしていた id:afrkn が、今度は2階にも現れる。

    そこで、

    わざわざ二階建てにしてまで集まり、左派は陰謀論者、反論できないから著者叩き、と確認しあっている

    という趣旨のコメントをする。

    つまり、

    記事
    ↓
    記事への反応
    ↓
    記事への反応を批評する人
    ↓
    その批評者たちの集まりを批評する人

    まで進んだ。

    再帰的である。


    「誰が何を言ったか」が中心になる

    2階では、もう一つ興味深い論争が起きている。

    それが、

    「何を言ったか」と「誰が言ったか」のどちらを重視すべきか

    という問題だ。

    id:yellowdomestic は、

    内容ではなく「誰が言ったか」にすり替えている

    という方向から1階の批判を問題視する。

    一方、id:y-mat2006 は、そもそも2階建てにした理由について、

    商用煽りアカウントへ直接リンクで餌を与えたくない

    という趣旨の説明をする。

    ここでは、

    発言内容が正しいなら発言者の属性は関係ない

    という考え方と、

    発言者の過去・信用・行動パターンも情報の一部である

    という考え方がぶつかる。

    陰謀論の記事から始まった議論が、最終的には、

    情報源をどのように評価するべきか

    という認識論の話になっている。


    さらに本人まで2階へやって来る

    そして id:Shiori115 も2階に現れる。

    1階では、

    自称「反戦」がロシア支持

    という読み方で、107人からスターを受けた最大級のアンカーだった。

    その本人が2階へ来て、

    気づいたらなんか盛り上がってた

    としたうえで、自分が1階で念頭に置いていた具体的なブックマーカーについて説明する。

    ここまで来ると、2階は単なる観客席ではない。

    1階の登場人物自身が、その解釈について説明する場所

    にもなっている。


    つまり2階では、情報の階層が一段増えている

    整理するとこうなる。

    0階

    元記事。

    左派周辺と陰謀論について論じる。

    1階

    記事へのコメント。

    「やっぱり左派にも陰謀論がある」

    「いや、この記事自体がチェリーピッキングだ」

    2階

    1階へのコメント。

    「反論できないから著者を叩いている」

    「わざわざ集まって左派批判を確認し合っている」

    つまり、

    事実
    ↓
    解釈
    ↓
    解釈への評価

    と進んでいる。

    2階で議論されている主要な対象は、記事本文ではなく、

    「人間が記事をどのように読んだか」

    である。


    analyzedを重ねると、2階へ来る人の特徴が見える

    ここからブックマーカー図鑑のデータを重ねてみる。

    観測できた2階のユーザーのうち24人を analyzed と照合できた。

    主要テーマを見ると、

    主要テーマ 24人中
    ネット/SNS 23人
    メディア/報道 23人
    政治/政党 15人
    外交/安全保障 12人
    文化/表現/オタク 6人
    AI/IT/技術 5人
    生活/社会 5人

    圧倒的なのが、

    ネット/SNS:95.8%

    メディア/報道:95.8%

    である。

    政治は62.5%。

    つまり2階を特徴付けているのは、必ずしも政治そのものではない。

    むしろ、

    ネット上の言説や、その言説がどう流通しているのかを普段から見る人

    である。


    「政治を見る人」ではなく「政治を語る人を見る人」

    この違いは重要だ。

    たとえば国会や選挙結果を追うだけなら、

    政治を見る人

    である。

    しかし今回2階に来ている人の多くは、

    誰が何を言ったのか

    そのコメントに誰がスターを付けたのか

    この話題では、いつものユーザーがどう反応したのか

    まで見る。

    つまり、

    政治を語る人を見る人

    だ。

    2階は、そういう人たちとの相性が非常にいい。


    id:poko_pen はなぜ2階まで来るのか

    図鑑上の id:poko_pen は、

    • メディア/報道
    • ネット/SNS
    • 政治/政党
    • 外交/安全保障

    への関心が強い。

    単に政策についてコメントするだけでなく、他の言説やブックマーカーへの反論もかなり多いタイプだ。

    今回も1階では、

    この界隈ってプーチンみたいに話が通じない

    とコメント。

    2階では、

    著者叩きになっている

    と、批判者の行動へ視線を移す。

    つまり観察対象が、

    記事
    ↓
    記事を読んだ人

    へ自然に移っている。

    普段のブックマーク行動とかなり整合する。


    id:Shiori115 の「村内監査」

    id:Shiori115 はもっと分かりやすい。

    図鑑では、政治記事そのものと同時に、

    • 「はてサ」
    • 「フェミ」
    • 左右の論争
    • 特定ブックマーカーの反応

    を継続的に観測する特徴が強い。

    個別記事を読むだけでなく、

    「この話題で、いつもの人たちは何を言っているか」

    を見る。

    だから1階で巨大なスターを集めたあと、2階にも現れる。

    2階という場所自体が、このタイプのブックマーク行動と非常に相性がいい。


    id:colonoe や id:Hige2323 もいる

    2階には、コメントを書かずブックマークだけしているユーザーもいる。

    その中に、

    id:colonoe

    や、

    id:Hige2323

    がいる。

    この二人は1階でもスター増幅側として非常に目立っていた。

    特に id:Hige2323 は、1階で46コメントへスターを付け、その多くが記事肯定側だった。

    一方 id:colonoe も19コメントにスターし、そのうち16件が記事肯定側。

    つまり、

    1階で特定の読み方を押し上げたユーザー自身が、2階も保存している。

    これは興味深い。

    記事そのものだけではなく、

    その記事を巡る論争の記録

    も追跡対象になっている。


    ただし、2階は一つの政治陣営ではない

    ここは注意したい。

    2階を見ると記事肯定側のユーザーが目立つので、

    2階は反左派クラスタの集会所

    と説明したくなる。

    しかし、それでは不正確だ。

    たとえば id:a-lex666 は、記事が一水会を扱う部分について、

    一水会をサヨク扱いするのはどうなのか

    という方向から記事へ疑問を呈している。

    id:y-mat2006 も、記事の内容そのものより、著者やリンク流通についてコメントする。

    そして id:afrkn は2階そのものを批判する。

    つまり2階には、

    • 記事肯定者
    • 記事批判者
    • 著者ウォッチャー
    • ブコメウォッチャー
    • 1階の論争参加者
    • 論争自体を観察しに来た人

    が混在している。

    一つの党派集団ではない。

    より正確には、

    複数コミュニティの高関与ユーザーが集まる交差点

    である。


    2階では「攻撃性」も濃縮される

    図鑑の attack パネルも見てみる。

    これは人物の善悪ではなく、過去のブックマークで、

    • 罵倒
    • 嘲笑
    • 名指し
    • 強い陣営攻撃

    などが継続的に観測される場合に掲載しているものだ。

    解析できた2階24人では、

    14人、58.3%

    にattackパネルがあった。

    1階の解析済み175人では59.4%だったので、比率自体はほぼ同じ。

    つまり2階だから突然攻撃的な人だけになったわけではない。

    むしろ、

    1階ですでに高かった論争参加層が、そのまま2階へ残った

    と見る方がよい。


    何が「濃縮」されたのか

    攻撃性ではない。

    一番はっきり濃縮されたのは、

    ネット言論への関心

    である。

    2階の解析済み24人中、

    23人がネット/SNS

    23人がメディア/報道

    を主要テーマに持っている。

    つまり2階へ進む条件は、

    政治的に右か左か

    より、

    他人の発言そのものを観測対象にする習慣があるか

    の方が強そうだ。


    1階と2階では「読む対象」が違う

    ここまでを単純化すると、

    1階の質問

    この記事についてどう思う?

    2階の質問

    このブコメ欄についてどう思う?

    である。

    似ているようで全然違う。

    1階では、

    • 記事の事実認識
    • 左右への一般化
    • 陰謀論の定義

    などが争われる。

    2階では、

    • なぜこのコメントがトップなのか
    • なぜ著者攻撃をしているのか
    • なぜこの人たちは集まっているのか
    • 誰が誰を批判しているのか

    が争われる。

    内容の議論から、コミュニケーションそのものの議論へ移行する。


    そして「ブックマーカー図鑑」と非常に相性がいい

    これは図鑑を作っていて面白いところでもある。

    普通の記事分析なら、

    この記事は何を言っているか

    を読む。

    しかし図鑑が見ているのは、

    誰が、何を、どのように拾ったか

    だ。

    2階では、その「誰がどう読んだか」が最初から主題になっている。

    言ってしまえば、

    2階そのものがブックマーカー図鑑的なコンテンツ

    なのである。


    「他人の読み方」が新しい情報になる

    ここで、1階の記事で立てた仮説へ戻りたい。

    1階では、

    はてなブックマークで拡散されるのはURLだけではない。
    「この記事をどう読むべきか」という読み方も拡散する。

    と結論づけた。

    2階を見ると、その先が分かる。

    拡散された「読み方」は、やがてそれ自体が情報になる。

    たとえば、

    id:Shiori115 がこう読んだ

    という事実。

    id:err931 の反論に大量のスターが付いた

    という事実。

    記事批判側が著者の素性に注目した

    という事実。

    こうしたものが、今度は新しい評価対象になる。


    情報伝播を三段階で考える

    今回のケースは、こう整理すると分かりやすい。

    第1段階:記事

    左派周辺の陰謀論について論じる。

    第2段階:読み方

    「左派にも陰謀論がある」

    「右派によるチェリーピッキングだ」

    スターによって一部の読み方が増幅される。

    第3段階:読み方への読み方

    「反論できないから著者を叩いている」

    「仲間内で左派批判を確認し合っている」

    そして第3段階を観測する人が2階へ集まる。


    実はここからもう一段続く

    そして、このケースにはさらに続きがある。

    元記事の著者は、このはてなブックマークでの反応を受けて、後日、

    「日本の左派と米MAGAに共通して広く見られる陰謀論6選」

    という続編を書く。

    つまり、

    記事
    ↓
    ブコメ
    ↓
    ブコメへのブコメ
    ↓
    著者がその反応を読む
    ↓
    次の記事

    まで進む。

    ただし、その話は次回に回したい。


    まとめ

    1階では、元記事について187人がさまざまな読み方を提示していた。

    スターによってその一部が強く増幅され、

    「左派にも陰謀論」

    と、

    「右派による左派叩き」

    という二つのフレームが特に目立つようになった。

    2階では、その二つのフレームそのものが議論対象になる。

    そこでは、

    • 反論できないから著者を叩いているのでは
    • 2階に集まって互いに確認し合っているのでは
    • 発言内容と発言者の信用を分けるべきか
    • 誰がどのブコメを支持しているのか

    といった話へ移行した。

    そして図鑑の analyzed を重ねると、2階へ集まった人には強い共通点があった。

    政治そのもの以上に、ネット/SNSとメディア/報道を普段から観測している。

    つまり2階とは、

    政治的に過激な人が集まる部屋

    というより、

    他人の言説を観測する高関与ユーザーが濃縮される場所

    と考えた方がよさそうだ。

    1階で拡散されたのは記事だけではなかった。

    「この記事はこう読む」という解釈も拡散された。

    そして2階では、

    その解釈自体が、新しいコンテンツになった。

    はてなブックマークでは、

    記事を読む
    ↓
    他人の読み方を読む
    ↓
    他人が他人をどう読んだかを読む

    という階層が自然に生まれる。

    今回の2階は、その自己参照的な構造が非常に分かりやすく現れたケースだった。

    5

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  • はてブの反応は次の記事をどう変えたのか

    同じ観客が再集合したフィードバックループ

    ここまで二つのブックマークページを見てきた。

    最初の記事では、187件のコメントを分析した。

    そこでは参加者そのものはそれほど単純に二極化していなかったにもかかわらず、スターによって、

    「左派にも陰謀論がある」

    と、

    「これは右派による左派叩きだ」

    という二つの読み方が強く増幅されていた。

    さらに、そのブックマークページ自体をブックマークした「2階」では、議題が記事本文から、

    「他のブックマーカーはこの記事をどう読んだのか」

    へ移動した。

    ここまでなら、

    記事 → 読み方 → 読み方への読み方

    という話だった。

    ところが、このケースには続きがある。

    元記事の著者が新しい記事を投稿した。

    タイトルは、

    「日本の左派と米MAGAに共通して広く見られる陰謀論6選(自己チェックシート付き)」

    である。

    そしてその冒頭では、前回の記事に対して、

    左派の中でも例外的な人物を取り上げただけではないか

    陰謀論者は相対的には右派の方が多いのではないか

    という反応があったことを明示し、そこから議論を始めている。

    つまり、今回見るべきものは単なる「続編へのブコメ」ではない。

    記事への反応が著者へ戻り、その反応を材料に次の記事が作られ、その次の記事へ再びブックマーカーが集まった。

    という循環である。

    結論から言う。

    1本目では記事肯定側の読み方がスター空間で優勢だった。しかし、その反作用を取り込んで書かれた2本目では、今度は記事批判側の読み方がスター空間を支配した。

    さらに、

    2本目には1本目の参加者やスター付与者が大量に戻ってきており、独立した二つのホッテントリというより、同じ観客による「第2ラウンド」に近い。

    三部作の最後は、このフィードバックループを見てみたい。


    今回の分析対象

    今回提供されたデータでは、動的表示部分を含めて50人のブックマーカーを確認できた。

    そのうち、

    • コメントあり:41人
    • 無言ブックマーク:9人

    だった。

    41件のコメントを、前回と同じ基準で分類する。

    分類 内容
    A 記事肯定・左派の陰謀論という問題提起を強く拾う
    B 記事批判・左派への一般化や論証を問題視
    C 左右横断・陰謀論そのものの構造を論じる
    D 著者・記事の需要・ブコメなどについてのメタ論
    E その他・保留

    またスターは、一人が同じコメントへ複数スターを付けても1票として扱う。


    結論:前回とはスターの向きが反転した

    まず41コメントの構成を見る。

    分類 コメント数 比率
    A 記事肯定 10 24.4%
    B 記事批判 11 26.8%
    C 左右横断 8 19.5%
    D メタ論 7 17.1%
    E その他 5 12.2%

    人数だけなら、かなり割れている。

    AとBもほぼ同数だ。

    ところがスターを入れると、全然違う。

    分類 コメント比率 スター支持数 スター比率
    A 記事肯定 24.4% 28 15.1%
    B 記事批判 26.8% 116 62.4%
    C 左右横断 19.5% 26 14.0%
    D メタ論 17.1% 14 7.5%
    E その他 12.2% 2 1.1%

    記事批判Bはコメント人口では26.8%しかない。

    しかしスターでは、

    62.4%

    を取った。

    これは前回と比較すると非常に面白い。


    1本目と2本目で「人気コメントの世論」が逆転した

    前回の記事では、

    分類 コメント比率 スター比率
    A 記事肯定 30.5% 48.1%
    B 記事批判 15.5% 20.4%
    C 左右横断 25.1% 13.9%
    D メタ論 21.4% 15.7%

    だった。

    つまり1本目では、

    「左派周辺にも陰謀論がある」

    という読み方が、人口以上にスターで増幅された。

    しかし2本目では、

    「また左派へ一般化している」

    という読み方が、人口以上に増幅された。

    スターが作る人気コメント空間だけを見るなら、

    1本目

    記事肯定優勢

    ↓

    2本目

    記事批判優勢

    へ反転している。

    同じ著者、ほぼ同じテーマ、わずか数日後の記事なのに、見えている「はてブ世論」が逆転した。


    今回のトップコメントを見る

    ユニークなスター付与者数で目立ったコメントを見ると、傾向はさらに分かりやすい。

    id:meowcatwings

    52人

    前回の記事でも思ったけど、反戦だからと左派にくくったり、参政党的な陰謀論まで左派だけにしたり、どういう需要なのか

    という方向。

    今回最大のアンカーだ。


    id:koukin_chuu_chuu

    19人

    都合の悪いことは全部サヨクのせいにする

    と、記事のフレーミングそのものを批判する。


    id:Fondriest

    17人

    前記事で反応が良かったため、同じ方向でチェリーピッキングしているのではないか、というメタ的な批判。


    id:atsushieno

    16人

    ここは少し性格が違う。

    記事が引用した不正選挙に関するデータそのものを確認し、

    参政党17.5%、日本保守党16.8%、れいわ10.7%

    という数字から、なぜ「左派」の問題として処理するのか、と論証そのものを突く。


    id:maturi

    13人

    こちらは記事を左右対立よりも、

    ロシア政府系メディアを「西側で報じられない真実」として扱う認知

    という構造から読む。


    id:T-anal

    12人

    ここで初めて、強い記事肯定・左派批判側のコメントが上位に入る。


    上位だけ見ると明らかに前回と違う。

    前回は id:Shiori115、id:tikuwa_ore、id:poko_pen など記事肯定側が大量のスターを得ていた。

    今回はトップの景色が反転している。


    なぜ反転したのか――初期アンカーが違う

    今回もブックマーク時刻を見る。

    記事は9月9日夜に公開された。

    取得できた範囲では、早い時間帯に現れた主要コメントはこうなる。

    時刻 ユーザー 分類
    22:34 id:meowcatwings B
    22:45 id:maturi C
    22:58 id:wapa E
    23:26 id:turanukimaru D
    00:00 id:koukin_chuu_chuu B
    00:07 id:colonoe A
    00:29 id:T-anal A

    今回最初に巨大化したのは、id:meowcatwings の記事批判だった。

    前回は早朝に記事肯定側の大きなアンカーが複数形成され、その後に批判側が成長した。

    今回は逆に、

    「また左派だけに寄せているのでは?」

    という批判フレームが最初から強く提示された。

    後から来た利用者は、

    記事+その批判

    をセットで読むことになる。

    三部作の1本目で見た現象が、向きを逆にしてもう一度起きている。


    ただし、今回は批判の内容も変わっている

    前回の記事批判では、

    • 著者は何者なのか
    • 「女子大生起業家」とは何なのか
    • チェリーピッキングではないか
    • 右派向けの商売ではないか

    といった著者・記事形式へのメタ批判がかなり目立った。

    今回もそれは残っている。

    しかし一部では、批判が明らかに一段具体的になっている。

    象徴的なのが id:atsushieno と id:uehaj だ。

    id:atsushieno は、記事の引用資料そのものを読み、

    そのデータから「左派の問題」という結論を出せるのか

    と問う。

    id:uehaj はもっと単純で、

    右派より左派が陰謀論に陥りやすいと主張するなら数字を出せ

    とする。

    これはかなり重要な批判だ。


    「左派にもいる」と「左派の方が多い」は違う

    今回の記事には、二つの命題が混在している。

    一つは、

    左派にも陰謀論を信じる人はいる

    という命題。

    これは具体例を6個並べれば、少なくとも存在証明としては成立する。

    しかし、

    日本では左派の方が陰謀論に陥りやすい

    となると、話が違う。

    これを示すには、

    • 左派の母集団
    • 右派の母集団
    • 同じ質問
    • 同じ陰謀論の定義

    で比較する必要がある。

    さらに、

    「野党支持者」

    と、

    「左派」

    も完全な同義語ではない。

    したがって、今回一部のブックマーカーが問題にしたのは、

    左派にも陰謀論者がいるか

    ではなく、

    その材料で「左派に広く見られる」とどこまで言えるのか

    という量的な一般化だった。

    前回より論点が明確になっている。


    これは著者側にもフィードバックが起きた結果ではないか

    新記事の冒頭は、前回への反応から始まる。

    前回、

    数人の例外を拾っただけでは

    右派の方が多いのでは

    という批判が出た。

    そこで今回は、

    • 研究者の議論
    • 政治的敗北と陰謀論
    • 6種類の具体例
    • 自己チェックシート

    を持ち込んでいる。

    つまり記事そのものが、前回より反論への耐性を高めようとしている。

    しかし証拠を増やせば、それで議論が終わるわけではない。

    証拠を増やしたことで、

    その研究からその結論まで行けるのか

    そのデータは本当に左派優位を示しているのか

    という新しい攻撃面も生まれる。

    これは面白い。

    はてブの批判が記事を強くし、その強くなった記事が、今度はより具体的な批判を生んでいる。


    前回の観客がかなり戻ってきている

    では、この2本目を見ているのは誰なのか。

    今回取得できた50ユーザーのうち、

    17人

    が1本目にも参加していた。

    34%。

    コメントした41人だけなら、

    17人、41.5%

    が前記事からの連続参加だ。

    たとえば、

    id:Shiori115

    id:T-anal

    id:atsushieno

    id:beejaga

    id:colonoe

    id:donovantree

    id:howlingpot

    id:koukin_chuu_chuu

    id:maturi

    id:uehaj

    id:yellowdomestic

    など。

    前回の論争で実際に目立った人が、そのまま戻ってきている。

    つまり、

    「似たテーマだから似た利用者が偶然来た」

    だけではない。

    かなりの割合で、

    前回を見た人が続きを見に来ている。


    コメントを書かない「観客席」も戻ってきている

    さらにスター付与者を見ると、この傾向は強くなる。

    2本目で誰かのコメントにスターを付けたユニークユーザーは91人。

    そのうち、

    46人、50.5%

    が、1本目でも誰かのコメントへスターを付けていた。

    コメント作者の重複率よりさらに高い。

    これは重要だ。

    コメントを書いた人だけが議論を継続していたのではない。

    前回スターを使って特定の読み方を押し上げていた観客も、約半数が戻っている。

    はてブの論争を考えるとき、コメント作者だけを見ると、この層が抜け落ちる。

    しかし人気コメントを作るのは彼らである。


    analyzedを見ると「連続参加者」はさらに濃い

    今回の50人中48人をブックマーカー図鑑の analyzed と照合できた。

    そこで、

    1本目から続けて参加した17人

    と、

    2本目で新たに参加した31人

    を比較した。

    連続参加17人
    • メディア/報道:17/17
    • ネット/SNS:16/17
    • 政治/政党:14/17 = 82.4%
    • attackあり:12/17 = 70.6%
    新規参加31人
    • ネット/SNS:31/31
    • メディア/報道:30/31
    • 政治/政党:13/31 = 41.9%
    • attackあり:12/31 = 38.7%

    かなり差がある。

    新規に来た人も、ネット・メディアウォッチ層ではある。

    しかし前回から追いかけてきた人は、

    政治を主要テーマに持つ割合がほぼ2倍。

    過去のブックマークで強い論争的表現が継続的に観測される割合もかなり高い。

    つまり、

    続編まで追跡するのは、このテーマや村内論争への関与度が特に高いコア層

    と考えられる。


    同じ人でも、前回と今回で見る場所は変わる

    連続参加したからといって、全員が前回とまったく同じことを書くわけではない。

    たとえば id:maturi は、今回、

    ロシア政府系メディアを「西側メディアが報じない真実」として扱う

    という構造に注目している。

    左右の殴り合いより、陰謀論に共通する情報摂取パターンを拾っている。

    id:uehaj は、記事の主張を否定するというより、

    比較命題なら比較データを出せ

    と仕様を要求する。

    これは図鑑上でも、前提や論理条件を検査する普段の読み方とかなり整合する。

    一方 id:T-anal は、今回も左派の政治文化そのものへ強く接続する。

    id:colonoe も、

    右派に多い陰謀論も挙げればいい

    としつつ、左派側の具体的な陰謀論候補を追加する。

    同じ続編を読んでも、やはり各ユーザーの「いつもの読み方」が現れる。


    そして「この記事には需要がある」というメタ議論が生まれる

    今回特に興味深いのが、

    記事そのものではなく、この記事がなぜ作られるのか

    を論じるコメントだ。

    トップの id:meowcatwings は最後に、

    どういう需要?

    と問う。

    これに id:turanukimaru がidコールで反応し、

    参政党の問題点を指摘してもネトウヨの多くは気にしないが、リベラルの問題点を指摘するとリベラルもネトウヨも気にするので需要が違う

    という趣旨の分析をする。

    id:donovantree も、

    前回バズったことで「日本の左派を叩くと喜ぶ人たち」というターゲットの手応えを得たのでは

    と読む。

    ここでは、

    記事は正しいか

    から、

    この種の記事は誰に消費されるのか

    へ議題が変わっている。

    まさにメディア分析である。


    ただし「バズったから左派叩きを始めた」だけでも説明できない

    ここは少し慎重に見たい。

    著者は今回突然、陰謀論や左右横断のテーマを始めたわけではない。

    前回記事でも最終的には、

    陰謀論への親和性は党派とは別の軸

    という話をしていた。

    今回の記事でも、

    陰謀論は左右どちらにも出現する

    と明示した上で、左派側の事例を集めている。

    したがって、

    前回ウケたからゼロから左派叩き商売を始めた

    とまで言うのは飛躍だろう。

    より正確なのは、

    もともと持っていたテーマを、前回返ってきた批判に合わせて再構成した

    という見方だと思う。

    記事制作がはてブに完全支配されたのではない。

    しかし、はてブから返ってきた反応が次の記事の論点設定に入力されたことはかなり分かりやすい。


    ここまでで情報伝播が一周した

    三つのブックマークページを通して見ると、情報の流れはこうなる。

    第1段階:著者が記事を書く

    「反戦」「反差別」を掲げる左派周辺の陰謀論を論じる。

    ↓

    第2段階:ブックマーカーが記事を解釈する

    A:

    左派にも陰謀論がある。

    B:

    左派へのチェリーピッキングだ。

    C:

    そもそも陰謀論は左右横断では。

    ↓

    第3段階:スターが読み方を選別する

    1本目ではAとBが人口以上に目立ち、特にAが優勢になる。

    ↓

    第4段階:読み方そのものが議論になる

    2階で、

    著者叩きに逃げている

    仲間内で左派批判を確認している

    といったメタ論争になる。

    ↓

    第5段階:反応が著者へ戻る

    「例外を拾っただけでは」

    「右派の方が多いのでは」

    という批判が、次の記事の冒頭から取り込まれる。

    ↓

    第6段階:続編が作られる

    研究や6つの事例を追加し、前回より広い一般化を試みる。

    ↓

    第7段階:前回の観客が再集合する

    コメント者の41.5%。

    スター付与者の50.5%。

    ↓

    第8段階:今度は逆側の読み方がスターで増幅される

    記事批判Bがコメント26.8%に対して、

    スター62.4%。

    ここで一周した。


    はてブは記事の「出口」ではない

    普通、記事公開とSNS拡散を、

    記事を書く
    ↓
    読者が読む
    ↓
    反応する

    という一方向の流れとして考える。

    このモデルなら、はてなブックマークは記事の「出口」にある。

    しかし今回のケースは違う。

    著者
    ↓
    記事
    ↓
    ブックマーカー
    ↓
    スター
    ↓
    ブコメの目立ち方
    ↓
    著者
    ↓
    次の記事

    となった。

    はてブが次のコンテンツ制作への入力になっている。


    しかも入力されるのは「全員の反応」ではない

    ここが最も重要かもしれない。

    1本目で187コメント全部を見ると、単純な賛否ではないコメントの方が多かった。

    しかしスター空間ではA/Bの対立が強調された。

    著者が「はてブの反応を見る」ときにも、すべてのコメントを同じ重みで読むとは限らない。

    人間が目にしやすいのは、

    • トップコメント
    • 多数スター
    • 強い反論
    • 引用されるコメント

    だ。

    つまり著者へ戻るフィードバックそのものも、

    スターで選別された反応

    である可能性がある。

    すると、

    スター
    ↓
    著者が認識する読者反応
    ↓
    次の記事

    という経路まで考える必要がある。

    スターはブコメ欄の表示順位を変えるだけではない。

    場合によっては、

    次に何が書かれるか

    にも間接的に影響する。


    そして2本目でも同じことが起きた

    面白いのは、2本目もまたスターによって実態とは違う姿に圧縮されたことだ。

    41人のコメントは、

    • A:24.4%
    • B:26.8%
    • C:19.5%
    • D:17.1%
    • E:12.2%

    とかなり分散している。

    しかしスター空間では、

    Bだけで62.4%。

    1本目ではA側の読み方が増幅された。

    2本目ではB側が増幅された。

    つまりスターという仕組み自体が「右」や「左」に偏っているわけではない。

    その時点で早く形成され、スターを付けるコミュニティを動員できたフレームが強く可視化される。

    今回の二つの記事は、そのことをほぼ実験のように見せてくれた。


    同じはてブなのに、世論が48時間で反転する

    ここから少し一般化したい。

    1本目だけを見れば、

    はてブではこの記事がかなり支持された

    と読める。

    2本目だけを見ると、

    はてブではこの著者への批判が圧倒的だった

    と読める。

    どちらも人気コメントだけなら正しい。

    しかし参加者全体を見ると、そこまで単純ではない。

    しかも、かなり同じ人が両方を見ている。

    つまり、

    「はてブ民の思想が48時間で反転した」

    わけではない。

    同じ大きな観客集団の中で、

    どのコメントが最初にアンカーになり、どのスターコミュニティがそれを増幅したか

    が違った。

    その結果、ページ上に表示される「世論」が反転した。


    ホッテントリとは「解釈の市場」なのかもしれない

    三つのページを分析してみて、最初に考えていたより面白い現象が見えた。

    ホッテントリでは、単に記事の人気を競っているわけではない。

    記事が投入されると、

    複数の解釈

    が発生する。

    それぞれの解釈に、

    既存コミュニティ

    が集まる。

    スターによって、

    一部の解釈の可視性

    が上がる。

    その可視化された解釈を、

    後続の読者

    が目にする。

    そして場合によっては、

    著者までそれを見る。

    すると、その解釈への反論や応答が次のコンテンツになる。

    ホッテントリとは、

    記事が消費される市場

    であると同時に、

    「この記事をどう読むべきか」という解釈が競争する市場

    でもあるのだと思う。


    三つのページで起きたこと

    最後に今回の三部作をまとめる。

    1階

    記事をどう読むか。

    187コメントにはかなり多様な読み方があった。

    しかしスターが、記事肯定と記事批判という対立的な読み方を選択的に増幅した。

    記事だけでなく「読み方」が拡散する。


    2階

    他人の読み方をどう読むか。

    元記事そのものより、

    • 誰が何を言ったか
    • なぜ著者を攻撃するのか
    • なぜこの人たちが集まっているのか

    が主題になった。

    「他人の読み方」そのものがコンテンツになる。


    続編

    読み方が記事をどう変えるか。

    前記事への批判を取り込んだ続編が書かれた。

    前回の参加者とスター付与者が大量に戻ってきた。

    そして今度は、記事批判側の読み方がスターによって圧倒的に増幅された。

    読者の読み方が、次の記事へフィードバックする。


    結論

    最初にこのエントリを見たときは、

    「陰謀論を論じる記事なのに、左右双方が自分の物語へ回収している」

    という程度の話だと思っていた。

    しかし、三つのブックマークページを追うと、もう少し大きな構造が見えた。

    はてなブックマークでは、

    記事
    ↓
    読み方
    ↓
    スターによる増幅
    ↓
    他人の読み方への評価
    ↓
    著者へのフィードバック
    ↓
    次の記事
    ↓
    再び読み方の競争

    という循環が起きる。

    そして、この循環の各段階で、ブックマーカー図鑑に記録されている既存の関心、コミュニティ、スター関係が顔を出す。

    同じ記事でも、全員が同じものを読んでいるわけではない。

    同じ文章から、

    ある人は「左派の陰謀論」を読む。

    ある人は「右派の扇動」を読む。

    ある人は「左右を横断する認知の問題」を読む。

    ある人は「この記事を誰が消費しているのか」を読む。

    そしてスターが、そのうちいくつかを巨大な看板にする。

    次に来た人は、その看板込みで記事を読む。

    さらに今回は、著者までその看板を見て次の記事を書いた。

    だから今回のケースを一言でまとめるなら、

    はてブでは記事だけが拡散するのではない。読み方が拡散し、読み方が次の読み方を生み、時には次の記事まで生む。

    記事の外側にあるはずだったブックマークページが、いつの間にか記事制作の一部になっている。

    この48時間は、その循環をかなりきれいに観測できる事例だった。

    4

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  • まとめ

    今回の3つのブックマークを追うと、はてなブックマークでは記事そのものだけでなく、「その記事をどう読むか」という解釈も流通していることが見えてきた。

    最初の記事ではスターが特定の読み方を増幅し、2階ではその「読み方」自体が議論の対象になり、さらに著者が反応を受けて続編を書くことで、その議論が次の記事へ戻っていった。

    つまり、

    記事 → 読み方 → スターによる増幅 → 読み方への反応 → 次の記事

    という循環がある。

    ホッテントリは単なる記事ランキングではなく、記事の意味がブックマーカー同士の相互作用によって作り直されていく場所でもある。

    ブックマーカー図鑑としては、個々の人物だけでなく、こうした「群れとしてのブックマーカー」の動きも今後追っていきたい。

    3

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  • では一連の流れで、最も良いと思ったブックマーカーと、悪いと思ったブックマーカーをランキングにして

    人物そのものの善悪ではなく、今回の一連のブックマークでのコメント品質として順位を付けます。基準は「記事を正確に読んでいるか」「根拠を確認しているか」「一般化を抑制しているか」「相手への攻撃より論点を扱っているか」です。1本目・2階・続編のコメントデータを通して評価しました。

    良かったブックマーカー

    1位 id:atsushieno

    一番評価したいです。

    続編で、著者が引用した選挙不正疑惑の記事を実際に確認し、

    「参政党17.5%、日本保守党16.8%、れいわ10.7%」

    という著者自身が使った資料から反証している。

    「気に入らない」「右派もいる」ではなく、相手の根拠を読んで、その根拠が結論を支えるか検査するという一番まともな批判でした。

    2位 id:cider_kondo

    1本目で、

    「最後の『馬蹄理論と陰謀論の雑食性』が肝」

    と読んだ。

    タイトルの「左派」だけに飛びつかず、記事末尾の本来の一般論まで読んでいる。今回のページで最も記事本文に忠実な読み方の一つでした。

    3位 id:uehaj

    続編の、

    「右派より左派が陰謀論に陥りやすいという主張をするなら数字を出せ」

    は非常に短いですが、論点は正確。

    「左派にも存在する」と「左派の方が多い」を区別している。

    今回の論争で最も重要な論理上の穴を一行で突いています。

    4位 id:good2nd

    「雑は雑なんだが、まあ実際左派にも陰謀論が広がることはある」

    と、記事の雑さを認めながら、

    「自陣に広がることに警戒するのも建設的」

    とする。

    今回のような党派対立では珍しく、記事批判と問題提起の有効性を同時に認めている。自陣営への批判を無効化する方向へ逃げていない点を高く評価します。

    5位 id:deztecjp

    「どこにでも陰謀論者はいる」
    「批判はしたらいい。ただ『お互い様』の意識を持ちたい」

    というコメント。

    派手さはありませんが、今回の三部作全体で起きていた敵側の失敗だけを証拠化する選択的観測からかなり距離を取っています。

    次点は id:lcwin、id:t-oblate、id:mahal あたりです。


    良くなかったブックマーカー

    こちらも「人として悪い」ではなく、今回のコメントが分析・議論として良くなかった順です。

    1位 id:korilog

    「反戦が論理的思考力の欠如による陰謀論から来てる」
    「反戦派の人たちは……思考力が低い」

    今回もっとも問題の大きい一般化だと思います。

    記事は数人の事例から陰謀論の構造を考察しているのに、そこからいきなり**「反戦派は思考力が低い」まで集団特性へ飛ぶ**。

    しかも、まさに記事が問題にしている「個別の点をつないで大きな物語を作る」をコメント自身が実演してしまっています。

    2位 id:murilo

    id:Shiori115 を名指しして、

    「重度の陰謀論者兼ネカマ」
    「それに星つけるネトウヨ達どうしようもない」

    とするコメント。

    記事の論証への反論より、特定ブックマーカーとスター付与者全体への人格・属性攻撃に大きく寄っています。

    記事批判側にも相応の根拠のある批判が多数あっただけに、これは質が低い部類です。

    3位 id:T-anal

    続編で、

    「日本の左派がバラモン左翼とキリスト教系宗教保守のハイブリッドなのは紛れもない事実」

    として、

    「だから不人気で泡沫政党化とエコチェン極めてる」

    まで一気につないでいる。

    主張が大きいのに、このコメント単体では検証材料がない。

    記事の陰謀論批判を、自分の既存の巨大な左派論へ接続しすぎているという意味で、今回観察した「読み方への回収」の典型です。

    4位 id:err931

    1本目で94人という大量の支持を受けましたが、

    「ウヨちゃんがダボハゼのごとく釣れていて草」

    と、主眼が記事内容ではなく著者と、それを支持した読者への嘲笑になっています。

    著者の過去活動を検討すること自体には意味があります。しかし、それを材料に記事本文の妥当性まで処理すると「誰が言ったか」と「何を言ったか」が混線する。

    スター数の大きさとコメントの論証品質が一致しない代表例だと思います。

    5位 id:big_song_bird

    「右左と言うかもはや下」
    「はてサの北守尊師」

    ほぼ陣営内の罵倒語だけで成立しており、記事の陰謀論、サンプリング、左右横断性のどれにもほとんど踏み込んでいません。

    論争参加というより敵対陣営への掛け声に近い。


    総合すると

    特に高く評価したのは、

    1. id:atsushieno
    2. id:cider_kondo
    3. id:uehaj

    です。

    共通しているのは、「どちらの陣営が嫌いか」より先に、記事が実際に何を根拠として何を主張しているかを見ていること。

    反対に低く評価したコメントは、左右どちら側にもあります。

    共通するのは、

    個別事例 → 敵対陣営全体の性質

    へ急速にジャンプすることです。

    今回の三部作で一番皮肉なのは、陰謀論的な「都合のいい点を結んで大きな物語を作る」認知を論じる記事の周囲で、記事肯定側も記事批判側も、まさに同じ誘惑に何度も引っかかっていたことだと思います。

    7

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  • 1階の意見の広がりや2階のメタな議論を見ていくと、記事そのものと同じくらい『他人の読み方』のほうにみんなの関心が向いていくのが面白いところだね。

    こういう話題の追い方って、他のニュースを見るときも似たような感じになるものなのかな?

    1

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  • ところで元記事はブックマークしてるけど、君の記事はブックマークしてくれてないユーザーも多いね
    元記事をブックマークしてた人たちがほとんど来ないのはなんでだと思う?

    一番大きいのは、記事のテーマが変わったからだと思います。

    元記事A/B/Cに来た人たちが反応していた対象は主に、

    • 左派と陰謀論
    • ロシア・反戦
    • 右派/左派への批判
    • 著者への評価

    でした。

    ところが図鑑レポートでは、それらを材料にしつつ主題を

    「はてブで意見はどう増幅されるのか」

    へ移しています。

    つまり、政治の記事からネットコミュニティ研究の記事に変換してしまった。実際、レポートに新しく来た人たちのコメントも「注目コメント」「初期スター」「ランキング」「フィルタ」「キュレーション」など、はてブそのものへの関心が非常に強いです。

    元メンバーが来ない理由は、私は次の順で考えます。

    1. そもそも興味の対象が違う。
      「左派の陰謀論について一言言いたい」人が、「自分たちのスター行動をネットワーク分析した長文」まで読みたいとは限りません。政治論争への参加とメタ分析への関心は別です。

    2. 参加コストが全然違う。
      元記事なら100文字で「それは左派も同じ」「いや右派の方がひどい」と書ける。一方、図鑑レポートは自分たちのコメントやスター関係まで分析しているので、反応するにはかなり読まないといけない。実際「3行で」「あとで読む」という反応も出ています。

    3. 党派的な“報酬”が弱い。
      元記事はA側にもB側にも「ほら、相手がおかしい」という読み方ができる。しかし図鑑レポートの結論は、

      両側とも別々の観客席で拍手している
      というものです。
      これはどちらかの陣営に「勝った!」という快感をあまり与えません。論争目的で来る人には、反応するインセンティブが弱い。

    4. 自分自身が観察対象になっている。
      これは断定できませんが、心理的にはあり得ます。普通の記事なら安全に第三者を論評できます。しかし図鑑記事では、

      「あなたが誰にスターを付けたか」
      「あなたの普段のコミュニティはどこか」
      まで対象になる。
      観客だった人が突然、標本側になるので、コメントしにくくなる可能性があります。

    5. 単純に流通経路が違う。
      元記事を見た237人全員がParksの図鑑レポートを目にしたわけではありません。したがって「見たけど来なかった」と「そもそも存在を知らない」は分離できません。これは今のデータでは最大の未観測変数です。

    特に3が面白いと思います。

    元記事には、

    A「この記事は左派の問題をよく指摘している」
    B「この記事こそ右派の扇動だ」

    という参加しやすい陣地があります。

    ところが図鑑記事は、

    「AとBはほとんど相互スターせず、それぞれ仲間にスターを付けています」

    と陣地そのものを上空から撮影してしまった。

    こうなると、AとしてもBとしても、

    「で、俺は何を書けばいいんだ?」

    になりやすい。

    逆に、その構造自体に興味を持つ [id:ackey1973] や [id:natu3kan]、[id:Shin-Fedor]、[id:nomitori]、[id:sirobu] のような観察者タイプが新しく集まった。

    なので今回起きたのは、単なる読者離脱ではなく、

    題材は同じなのに、記事の抽象度を一段上げたことで読者層が入れ替わった

    と見るのが一番しっくりきます。

    図鑑にとってはむしろ良い兆候で、「政治クラスタを紹介するコンテンツ」から「ネット上の集団行動を観察するコンテンツ」へ広げると、別の読者市場が現れることが今回かなり見えています。

    2

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  • 言及されてた。
    よく「誰が言ったかでなく、何と言ったかで評価しろ」と言われるんだけど、それがヒューリスティックに判断できるほど人間は賢くないから、ついつい「誰が言ったか」で判断しちゃいがちなんだし、経験値によるフィルタリングとしてはそこそこ有効だったりすると思う。
    名前をコロコロ変える論客って、ロクなもんじゃねえでしょ。

    4

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  • そもそも女子大生起業家はSeanKYという名前でサイトとTwitterアカウント持ってる人で最初の方にブクマしてる人はその辺をわかっててブクマしている。この人のサイトはいろいろ書いてるけど、10年前とかに「男女平等、格差対策、少子化対策のトリレンマ」って記事で初めて100以上のブクマを集めてる。
    いわゆるBOTとかっていうより明白に戦略があってこういう名前を付けてる(それが意地の悪さを棄却するわけじゃないけど)
    彼自身の志向性は右派っぽくは全然ないんだけど「リベラル」の抱える矛盾性に関してかなり厳しく指摘したい人で、そのためならとにかく何でもするというかなり好戦的なタイプ。なのでまず人を小馬鹿にしたTwtterネームとかで耳目を集めて内容でとことん矛盾点を突こうとする傾向が強い。特にはてブの人を嫌ってる傾向がある。まぁはてなは教条的な左派が集まってる珍しいサイトだからいろんな意味で釣りやすいんだよね。某大学教授が今回炎上したけど、はてな見てると似たようなタイプの人がいっぱいいる。
    SeanKYははてなのリベラルを正直馬鹿にしてると思う(俺が勝手に思ってるだけだけど)

    4

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