耳鼻咽喉流体力学 部門
海野徳二、矢島洋による1977年の研究、「鼻のかみ方ー擤鼻の気体動力学的研究」がイグノーベル賞(医学部門)を受賞した。
HOW TO BLOW THE NOSE
※論文は日本語で記述されている。
イグノーベル賞といえば、「人々を笑わせ、考えさせる業績」に贈られる賞として知られている。主にユーモアとして語られることの多い話題でもある。
一方、長年、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎に悩まされる一人としては、決してユーモアだけでは受け止めきれない話題でもある。
次の考案によってはじめられた研究は、
・鼻をかむ習慣をつけた学童と、そうでない学童との間には副鼻腔炎罹患率に差がある
・鼻をかむことは、副鼻腔炎予防効果がある
・衛生知識の一つとして、上手に鼻をかむよう教えることが大切
・そのため具体的な指示が望まれる
実験結果から、適切な鼻のかみ方を導き出した。それは、
・片側ずつかむ
・かむ前に少し息を吸う→肺活量の1/2~2/3程度
・強くかむ→スピードが速いほど分泌物を押し出す効率が高まる
鼻を強くかむと中耳炎になる、と言われることがある。この点について、論文では次のように言及されている。
鼻をかんだ時には、経耳管の気流変動による外耳道内圧の変化はかなりの率に起る。しかし、このことと経耳菅中耳感染とは別である。
かんだときに耳へ圧力がかかり、空気が入ること自体は頻繁に起こる。しかし、中耳にも防衛メカニズムがあり、それが機能しているのだから、直ちに中耳感染に直結するわけではない。むしろ、分泌物を排泄させることの方が重要である、という理屈だ。
なお、他部門の受賞研究については、以下を参照されたし。
Meet the 2026 Ig Nobel Prize winners
長年、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎に悩まされ続けているタレコミ氏には、「たかが鼻のかみ方」とは無視できない話題である。
スラド諸兄は普段、どのような「鼻のかみ方」を実践されているだろうか。やはり片側ずつ、ロングブレスで力強くかんでいるだろうか。あるいは独自に会得した擤鼻ハックがあれば、ぜひ紹介してほしい。